
新たに起業・開業するためには、少なからず資金が必要になります。
まとまったお金が用意できていない場合は、必要な資金を調達しなければいけません。
そこで今回は、起業・開業時の資金の調達方法をご紹介していきます。
自社に合った調達方法を選んで、起業・開業資金を確保しましょう。
起業・開業に必要な資金
起業・開業を検討する上で、どのくらいの資金が必要かは気になるところでしょう。
事業にかかる資金の前に、まず手続きに費用がかかります。
個人事業主として開業する場合は手続き費用や継続費用はかかりませんが、法人を設立する場合は法務局での登記申請や実印作成などで、数万円から20万円以上かかるので準備が必要です。
事業を運営していくための資金は、
- 会社設立実費
- 運営資金
- 各種税金
- 当面の生活費
の4つに分けられます。
資金の内訳は以下のようになっています。
- 会社設立実費:法人設立の際にかかる諸経費など
- 運営資金:オフィス費用(光熱費、家賃など)、事務用品の購入費用など
- 各種税金:法人住民税均等割(年間7万円ほど)
- 当面の生活費:事業が軌道に乗るまでの生活費
これらの起業・開業資金に加えて、事業によっては必要な備品の購入費などが発生するでしょう。
必要資金がわかってから対応するのではなく、あらかじめ事業計画を作成し、資金を明確にした上で資金調達を始めましょう。
さまざまな資金調達方法
起業・開業に必要な資金がまとまったら、資金の調達に移りましょう。
事業に必要な資金を調達するには、いくつかの方法があります。
それぞれの特徴や準備などをおさえて、利用する方法を検討してみましょう。
補助金・助成金
補助金・助成金は、起業・開業にともなって、地方自治体や民間団体などからもらうことができる給付金です。
都道府県ごとに実施されている制度もあり、全国で実施されている制度と組み合わせれば、より多くの資金を調達できるでしょう。
主な補助金・助成金としては、創業補助金があります。
創業補助金とは、正式には「創業促進補助金」と呼ばれ、最大200万円の給付金を受け取ることができます。
ただ、士業などの認定支援機関の確認書が必要になることや、申し込み期間が不定期なこと、採択率が3割程度であること、補助金は後払いであることなどについては注意が必要です。
他にも、業種に応じて従業員5人以下、または20人以下で補助を受けられる小規模事業者持続化補助金は、最大50万円の補助を受けられます。
補助金制度を利用する際は、手続きを行う必要があるので、制度に詳しくない方にとっては難しく、不備があれば認められないかもしれません。
専門家のサポートを受けるなど、適切に手続きができるように準備しましょう。
融資
融資とは、金融機関などにお金を借りることです。
都市銀行や地方銀行、ローン会社では、これから起業・開業する方に対して事業融資を行っていませんが、日本政策金融公庫や信用金庫などでは、中小企業や個人事業主に対して事業資金の融資を行っています。
特に、日本政策金融公庫の融資は、申し込みから融資までが早いだけでなく、無担保無保証・連帯保証人なしとなっており、手続きがしやすくスピード感があります。
最大3,000万円の融資を受けられ、比較的利息が低く、借入期間が長いなど、まとまった資金の調達や利用のしやすさなどに優れているのが特徴です。
創業者が自ら借入れを行う個人借入という方法もあります。
消費者金融や親族・知人からの借金などが具体的な方法ですが、頼り切りになるのは避けましょう。
消費者金融であれば返済が滞ると融資が受けにくくなる可能性があり、親族・知人からの借金では信頼や人間関係を失うリスクがあります。
まずは、日本政策金融公庫などの融資を金利や手続きのしやすさなどから検討し、利用するようにしましょう。
出資
出資とは、投資家からの援助を受け、新株の利益を配当する資金調達の方法です。
起業・開業資金を援助する投資家を「エンジェル投資家」と呼びます。
ベンチャーキャピタルと言われる投資ファンドは、未上場企業に投資を行っており、資金調達に利用することができます。
クラウドファンディング
クラウドファンディングとは、Webサイトやプラットフォームサイトを利用して、不特定多数の方から援助を募る方法です。
事業のビジョンや必要性などに共感してくれる方がいれば、多くの資金を調達できるでしょう。
共感を得られる事業や社会的に求められる事業などを展開する際は、資金調達の選択肢として検討してみてくださいね。
まとめ
起業・開業のための資金を調達するには、補助金・助成金や融資、出資、クラウドファンディング、個人借入などの方法があります。
それぞれにメリット・デメリットがあるので、しっかり理解した上で方法を検討することが大切です。
自社に合った調達方法を検討して、起業・開業資金を用意しましょう。
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